2010年2月 4日 (木)

第9回

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よくわかる作詞の教科書

月日が経つのは本当に早いもので。
今後は本に書けなかった続きを…。

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2006年6月19日 (月)

第8回

*ボキャブラリーの再構築、いったん最終章*

前回の最終問題、その解答例。

・メッセージ = 伝言、伝言板、通知、宣告 etc
・コントロール = 制御、管理、統率、支配 etc
・アンテナ = 通信装置、無線、電波、携帯 etc

本文中にあったこれらの言葉、気づく事ができましたか?
今回はいよいよ『ボキャブラリーの再構築』編、最終章?
筆者の考える『究極の言葉探し』に触れたいと思います。

『ずっと そばにいて』

普段使うと大胆なセリフ(←カタカナ語!)も歌詞なら
違和感なし。当ブログの内容をすべて実践してこられた
貴方にとっては逆にありきたり?でもそこが作詞の魅力。
恥ずかしくとも、つまらなくとも、とにかく書くべし!
では問題。

『○○○ そばにいて』

上記○に相応しい「ずっと」以外の言葉をひとつ挙げよ。

『語感』から「もっと」、『類語』だと「いつも」等々…
皆さんにはどのような言葉が思い浮かびましたか?
(「あなた」だと『演歌』っぽく感じるのは筆者だけ?)

さてここからが本番です。先程の問いはあくまで練習問題。
これが実際『作詞』する場合、先程の問いはこうなります。

上記○に相応しい「ずっと」以外の言葉を『すべて』挙げよ。

さあ貴方はいくつ言葉をイメージできたでしょうか?
もしそれが仮に貴方にとって思いつく『すべて』でも
それはあくまで貴方の持つボキャブラリーの範囲での
『すべて』であって、上記のフレーズが持つ可能性の
『すべて』ではありません。ではどうすれば「○○○」
の持つ可能性の『すべて』を探る事ができるか…実は
その答えは驚くほど簡単。以下にその答えを記します。

『特定の文字を五十音順(あいうえお順)にすべて置き換えてみる』

英語が「アルファベット」の組み合わせであるように、
日本語はすべて「ひらがな」で書き表す事ができます。
その一字一句を順番に、機械的に置き換えてみると…

例)「ずっと」「もっと」=『○っと』と考え(○→特定の文字)
  『○』に『あ』から『ん』まですべてを当てはめる。

あっと=@
いっと=It
うっと=?
えっと=「えっとぉ」
おっと=夫
かっと=Cut/カット
きっと=!(使えるかも)…以下同様に。

この取り組みによって、理論上はすべての言葉の可能性に
辿り着く事ができます。ただしあくまで機械的な作業の為、
生まれた言葉の大多数は無意味だったり、意味はあっても
後に続く言葉(今回は「そばにいて」)に合わない事も…。

なので筆者は文字を置き換える度にその『生まれた言葉』
を実際発音し、そこから直接、聞き覚え(または口覚え?)
のある「別の言葉」を発想したり

『きっと』→「じっと」 『もっと』→「そっと」

今度は逆に見つけた言葉の後に続く言葉を変更してみたり

「もっと…そばにきて」 「じっと…みつめてて」

比較的自由に取り組みつつ、いざという時は徹底的にやる!
という感じです。ちなみにどの文字を置き換えるべきかは
(『いつも』→「なつも」「いまも」「いつか」のように)
その時々のヒラメキや状況によって様々…でもだからこそ
常に創作の楽しみ、発見の喜びが持続するのだと思います。

ボキャブラリーに限らず、ものを作る上で最も重要なのは
『人間一人の力には限界がある』という事実を認め、その
壁をどう乗り越えて行くか。当ブログの内容が、皆さんの
真に「豊富な」ボキャブラリー作りに役立つ事を願いつつ
次回も更に『作詞』の面白さ、奥深さについて述べたいと
思うのですが…いかがでしょう?

では『ボキャブラリーの再構築』編、最後を飾る問題です。
(今回は解答例を挙げますので次回答え合わせはナシです)

・『世の中に流通する歌詞』に用いられた事のある
・『語感(語音数)』が「三文字(○○○)」で
・『表記』が「漢字一文字」の
・『名詞』

上記すべてに当てはまる言葉を、最低10個以上挙げなさい。

例)嵐、命、噂、男、絆、心、栞、翼、瞳、昔 etc


*今日のアフィリエイト*
一文字説法 観音のこころ

私自身は無宗教ですが、あえていうなら
『音楽教』の信者かと…ビバ『観音』様。

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2006年6月12日 (月)

第7回

*ボキャブラリーの再構築、その3*

前回挙げた『品詞』という視点の他、筆者が実際過去に
行ってきたボキャブラリーの再構築、その実例を以下に
記します。

1)表記

日本語は英語と違い『ひらがな』『カタカナ』『漢字』
『ローマ字』等、色々な書き方ができます。同じ言葉や
メッセージも、その書き方(=表記)によって聴き手に
(読み手?)与える印象が全く異なってきます。例えば

桜 / さくら / サクラ / SAKURA / a cherry blossom(英語)

これらが示す通り、おそらく日本語は世界にも類を見ない
多種多様な表記方法を持つ言語であり、その魅力をいかに
コントロールし、またこだわるかが作詞の腕の見せ所かと。

ではここで問題。今この瞬間思いつく全てのカタカナ言葉
(=カタカナ語)を書きなさい(例『マリック』…きてます)。

続いて、例えば思いついた言葉の「語感」から連想すると

トリック ロジック マジック パニック etc

と、これまで「知って」いたのに「見落とし」がちだった
言葉にも「気づく」事ができるはずです。

更に『外来語』や『専門用語』等々、意識を広げてみると

リズム メロディ ハーモニー リピート etc

のように、例えば日常的に使われる『音楽用語』の存在に
気づいたり…そこから更に同じ意味合いを漢字に置き換え

メロディ=旋律 ハーモニー=調和 リピート=反復

と、通常の思考ではたどり着けなかったはずの言葉にまで
思い至る事ができればしめたもの。

大切なのは、これら『言葉の発見』をいざ作詞する段階で
行うのではなく、あらかじめ日々準備しておく事。筆者は
今でも見知らぬ言葉との新たな出逢いを求め、常日頃から
アンテナを張り巡らせています。

では改めて問題。今回ここまでに登場した『カタカナ語』
を全て書きなさい(本文中の何気ない言葉にも要注意!)。

2)類語

例えば「太陽とは?」との問いに貴方ならどう答えますか?
太陽系の中心?恒星?それとも地球上生命体全ての光熱源?

どんな辞書も、ある言葉の意味を説明する際には必ず
『その言葉と関係のある別の言葉や表現等』を使って
説明するはず。そういった関連する言葉同士を『類語』
(=本来「語形は異なるが意味の似通った言葉」の意)
と呼びますが、それと同様に筆者は作詞をする際必ず
一度思い描いた言葉に対してそこから更に意識を広げ
別の言葉の可能性(=類語)を探るようにしています。
例えば

太陽→お日様→日射し→光 / 影→闇夜→星空→月 etc

『同じ意味を持つ言葉』から『関連する言葉』等を経て
最後は『反対の意味を持つ言葉』まで言葉をリンクさせ、
すでに頭にあるボキャブラリーを「再構築」する訳です。

このように様々な視点で同じ対象物(もしくは感情)を
違う言葉で表現する能力は、先程挙げた『1)表記』や
前回の『品詞』と同様、我々が普段から身につけるべき
『作詞力』の一つだと思うのですが…いかがでしょう?

では本日最後の問題です。先程書き出した『カタカナ語』
全てを漢字に置き換え、更にその言葉に関連する『類語』
を可能な限り書きなさい(次回『究極の言葉探し』に続く)。

<追記>
ちなみに当ブログはあくまでより良い作詞を実現する為の
筆者個人の考えを提案する場であり、正しい日本語用法や
語学的見地を必ずしも示す物ではない旨予めご了承下さい。


*今日のアフィリエイト*
日本語擬態語辞典

例えば他にもこんな視点がございます。
日本語の国に生まれて本当によかった。

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2006年6月 5日 (月)

第6回

*ボキャブラリーの再構築、その2*

前回の宿題、その解答例。  注( )=語音数

『未来(3)』=『これから(4)』『先(2)』
『過去(2)』=『これまで(4)』『昔(3)』

また「現在過去未来」を「今日昨日明日」と言い換える
パターンも歌詞界ではよく見受けられます。このように

いかなる音数(メロディ)でも同様の意味合いが表現可能

である事を理解し実行出来ると、より自分の想いや意図に
忠実な詞が書ける可能性が高まる訳です。その為に筆者は
前回「言葉」の持つ二面性(語感と意味)を挙げましたが
今回はそれらを更に詳しく見つめ、既に我々が身につけた
ボキャブラリーをより『使える』状態に整理整頓する事を
目指します…Are you ready?

本日のお題 → 『愛しさと 切なさと ○○○○○○と』

我が国のバブル期を代表する楽曲を想像した貴方、ここは
まず素直に思い浮かんだ言葉で○の中を埋めてみましょう。
(浮かばない貴方は上記フレーズをWeb検索すると…ほらね)

日常生活で、まれに「心強いわ」と口にする事はあっても
『心強さ』という単語を頻繁に使う人はそういない(はず)。
その事だけみても上記フレーズは歌詞として貴重な「発見」。
(空欄を是非「こころづよさとぉ」と熱唱してみて下さい)

そして心強さとは「心」+「強さ」である事にも注目です。
もし上記空欄を『強い心』と作詞したとしたら…『心強さ』
の時に得られた『韻』を踏む快感が完全に失われてしまい
(韻を踏む=音声末尾の響きを統一する事。上の場合「さ」)
意味もさることながら、見た目のインパクト等せっかくの
「発見」が台無しです(『視覚』の重要性については次回)。

日本語の場合『韻』にこだわるという事は即ち『品詞』を
意識するという事に他なりません。品詞とは各単語をその
役割や用法によって、名詞動詞形容詞等に分類する「タグ」
(ここはWeblog、なのでタグの意味はあえて解説しません)
のようなものですが

動詞=末尾の響きが「ウ」行(愛す、愛する、愛おしむ etc)
形容詞=末尾の響きが「イ」行(愛しい、切ない、強い etc)

のように、品詞にはそれぞれを象徴する決まり事が存在し、
例えば本日のお題のように

愛しさ 切なさ 心強さ → 語尾を「さ」に変換=名詞

と、言葉を品詞で「括る(くくる)」事により、語感(韻)
をコントロールする(=メロディに寄り添う)事、そして
同様の意味合いを違う言い回しで表現(=イメージを喚起)
する事が可能となる訳です。

例)愛(2) 愛す(3) 愛しい(4) 愛おしさ(5)

ボキャブラリーとは貴方だけが持つ『My辞書』のような物。
是非今回の「品詞」の例を参考に、貴方独自の『タグ付け』
により、頭にある言葉の全てを作詞に活用しやすい状態に
『再構築』してみては(これぞまさしくフォークソノミー?)
いかがでしょう?


*今日のアフィリエイト*
「スーパー一人ごっつ」 Vol.1

特にコント「手配中」こいつを外す訳には
いきません。爆笑なのになぜか目から鱗が。

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2006年5月29日 (月)

第5回

*ボキャブラリーの再構築、その1*

さて今回はいつにも増して、楽しく元気に参りましょう。

『○○○の歌が きこえてくるよ』

例えば上記○○○部分に「カエル」と当てはめてみます。
そう、皆さんご存知のあのメロディです。聴こえますか?

では聴こえたメロディにはどんな歌詞が続きますか?
大抵の方がクヮとかグヮ、ケロケロやゲロゲロといった
カエルにまつわる言葉をイメージするはずです。
(違うという貴方、コメントお待ちしております)

「そんなの元々知ってただけで作詞じゃない」という貴方。
今度は○○○部分をカエルではなく「たわし」と当てはめ
再度歌ってみましょう。聴こえますか?たわしの歌(笑)。

では聴こえたメロディにはどんな歌詞が続きますか?さあ、
ここから先は百人いたら百通りの答えがあってしかるべき。

『ゴシ ゴシ ゴシ ゴシ』『ゴシゴシゴシゴシ』と来て
『ゴシ ゴシ ゴシ』…って、全部「ゴシ」かい!

と、あえてゴシ押ししましたが、これも立派なたわしの歌。
でもそれじゃあんまりだという貴方は、ここからどう考え
「○○○の歌」を『作詞』するのでしょう?

『たわし』にまつわる「ゴシ」以外を考えた場合、例えば
「シャカシャカ、キュッキュッ、ツルツル、ピカピカ」等
があるとして、それらをいい感じで当てはめ…ん?待てよ。
ここで言う「いい感じ」とは一体どういう事を指すのか…。

そう、ここで貴方は前回筆者が述べた

a.歌詞は歌われる『メロディ』に寄り添うべきである

を無意識に実行しようとするはずです。その「歌い心地」
を損なわず当てはめられるゴシ以外の言葉…貴方にとって
上記四つの例えなら、どれが最も相応しいと感じますか?
きこえてくるよ…シャカ、キュッ、ツル、ピカ…他の案も
歌いつつ、貴方だけの「たわしの歌」を完成させましょう。

更に○○○を今度は「お風呂」に変えると全体の雰囲気は
どう変わりますか?洗ってるのは風呂釜?それとも身体?
ツルツルピカピカはお肌?それとも頭?だったらツルピカ
よりサラサラとかフサフサの方が良いですか?次○○○を
「あなた」としてみて下さい。あなたの歌がきこえてくる、
さあ貴方は後半部分をどうしたいですか?「ツルピカ」は
さすがに相手に失礼ですし、真面目な作詞とは思えません。
いっそ「歌」を「声」にして『あなたの声がきこえてくる』
とすればより一般的な歌詞らしくなりますね。では最後は
「グヮグヮグヮ」ではなく『アイラブユー』で締めますか?
さあ自由に創作して下さい、前半に相応しい後半部分を…。

そう、ここでの貴方は先程のa.に加え、前回筆者が述べた

b.歌詞は聴き手に『イメージ』を喚起するべきである

を無意識に行っているのです。聴き手を傷つけない事や
全体のストーリーに統一感を持たせる事…選択肢は全て
貴方自身の感性が選ぶ、貴方自身のボキャブラリーの中
にしかありません。で、ここまでを踏まえて今回の結論。

言葉には「語感(発音)」と「意味(内容)」の二要素がある。

上記二要素をいかに使いこなすかが即ち『作詞』なのです。
ではここで本日の宿題。 

『かこ』『みらい』それぞれの時制を表す別の言い回しを
下記を参考に二、三、四文字(語感)で計三つずつ答えなさい。

例)げんざい=四文字、いま=二文字、トゥデイ=三文字

気になる答え合わせは次回という事で…いかがでしょう?


*今日のアフィリエイト*
おふろでカエルさん

筆者は創作に行き詰まるとなぜか無性に入浴
したくなる…そんな作家、実は結構多いはず。

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2006年5月22日 (月)

第4回

*そもそも歌詞とは、そして良い歌詞とは*

どんな名画家も初めは被写体の模写から始めるように。
どんな名料理家も最初は素材の吟味から始めるように。

前回の内容を真に受け実行して下さった皆さんは既に
沢山の歌詞言葉を『身につけて』いるはずです。もし
歌詞カードでは飽き足らなくなった貴方は他の様々な
活字媒体(雑誌、小説、漫画、詩集、各種コピー等々)
からも同じように書き写し、言語体験を続けて下さい。
(やがて目にする言葉すべてが対象になる…完璧です)

すると、貴方の心のビーカー(フラスコ?)にはもう
あふれんばかりの歌詞言葉が今か今かと出番待ち状態。
さあ後は実際に『作詞』するだけ…と、ちょい待った。

ここで皆さんに提案。その言葉達、一度忘れましょう。
そして今一度、作詞の『三原則』(第2回参照)へと
立ち返り、今度は

『2)守るべきルールの意識』

について述べさせて下さい。そうする事で、貴方の中の
ボキャブラリーは更に強化され、真に『使える』ものに
なります。(物事の理解には何事も『順序』が大切…)
で、今日の結論。

『歌詞とは「歌」われるべき「詞(ことば)」である』

この事は作詞の際、まず念頭に置くべき絶対的ルールかと。
(ここでは葉書や歌詞集の類いはあくまで副産物とします)

歌詞は『歌声』によって『聴き手』に届いた時、初めて
この世に生み出された意味を持つのではないでしょうか。
(歌唱のない『歌もの』BGMにも作詞印税は発生しますが)

そこから導き出される『作詞のルール』として、筆者は
以下の二つを挙げたいと思います。

a.歌詞は歌われる『メロディ』に寄り添うべきである
b.歌詞は聴き手に『イメージ』を喚起するべきである

歌手は歌いづらいより歌いやすい方がいい。その歌を
聴き手は聴き取りにくいより聴き取りやすい方がいい。
そして勿論、意味不明な歌詞より感動できる方がいい。
メロディが『ラップ』でも、イメージが『感情』でも
構いません。要は作品をより『価値』あるものにする、
その為のルール設定です。

そこでこの『作詞の教科書』では上記a.b.を果たす歌詞を
より価値ある『良い』作品だと定義します。そして上記を
踏まえた貴方が、身につけたあふれ出るボキャブラリ−を
どう作詞に活かして行けば良いのか…その方法を次回より
更なる具体例と共に詳しくお伝えしようと思うのですが。
いかがでしょう?

*今日のアフィリエイト*
U2詩集

国内の活字すべてを制覇した粋な貴方。
お次は異国の歌詞言葉に触れてみては?

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2006年5月15日 (月)

第3回

*作詞家の正しい!?ボキャブラリーの増やし方*

前回「歌詞らしい」「歌詞に相応しい」「歌詞に適した」
言葉とは何かを問いました。で、筆者の答えがこれです。

『世の中に流通する歌詞に用いられたすべての言葉』

禅問答のようですが『真理』です。なぜなら少なくとも
この世に商品として流通する歌詞はすべて、作者以外の
第三者が歌詞としての価値を認めたからこそ作品として
存在し得る…そしてその真理に気づいた瞬間、我々作詞
を志す者がすべき最初の取り組みは決まったも同然です。

『自分が心動かされた歌詞をすべて書き写す』…これだけ。

本当は流通する歌詞すべてと言いたい所ですが無理は禁物。
手元にある、自腹で手に入れた歌詞から始めてみましょう。
ただしこれにはコツがあります。ただ書き写すのではなく、

『自分が詞を書く時には思いつかなかったであろう言葉』
『その詞に出逢わなければ普段絶対浮かばないフレーズ』

だけをノートに手書き(推奨)でひたすら書き写すのです。

これを続ける事で自分の『ボキャブラリー』にある変化が
訪れます。目にする言葉すべてが『思いつくはずの言葉』
にある日突然様変わりするのです。筆者の場合、それは約
一ヶ月半後に訪れました。どの歌詞を見ても書き写すべき
言葉が見当たらない…例えば『自由になりたい』と歌詞に
書いてある。「自由」「なりたい」両方意味は判る。けど
そう作詞した経験はない。だから『書く』。また別の日に
別の歌詞を見る。『僕らの自由』と書いてある。また書く。
『自由なき理由』語感が面白いかも…また書く。そうして
ノートの至るページに『自由』という言葉があふれてくる。
(無論それ以外の言葉も)そしてある日突然気づくのです。

「そうそう『自由』って言葉、歌詞によく使われるよね」

おめでとうございます。貴方は無事『自由』という言葉が
『詞を書く時に当たり前の言葉として浮かぶ』思考回路を
手に入れたのです。普段知っていたはずの『自由』という
言葉。けど『知っている』だけでは『作詞』には使えない。
言葉はそれを扱いたいタイミングで思いつかなければダメ。
日常会話で『自由になりたい』なんてフレーズ、なかなか
使わない。けどその気持ちは皆確かにある…だから多くの
歌詞に『自由』という言葉が登場する。それを当たり前に
思いつく自分になる…これは他人の歌詞のおいしい箇所を
そのまま引用する事(いわゆるパクリ)とは訳が違います。
(歌詞言葉を自分という器に一度取り込み消化する感覚?)

目標は『作詞時に歌詞らしい言葉を勝手に思いつく』頭脳。
『歌詞体験』(日常生活では得られぬ言葉のインプット)
とも呼べる経験を糧にやがて手書きノートは卒業。最後は
自分の発想のみでいざ勝負…そんな来るべき日を目指して
貴方もまずは『やってみる』という事で。いかがでしょう?

*今日のアフィリエイト*
landscape

たまには自身の作品を(カラオケでも歌えます)。
これを聴いて死を思い留まってくれたファンの方、
お元気でしょうか。

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2006年5月 8日 (月)

第2回

*作詞をするために必要な三つのこと*

さて今回からより具体的な内容を記そうと思います。
で、いきなりですが、まず結論。

『作詞』とはすなわち「歌詞」を「作る」ことである。

…恥ずかしいくらいそのまんまですね(けど重要です)。
ではいったいどうすれば『作詞』出来るようになるのか?
筆者の考えを以下に簡単にまとめてみました。

1)豊富なボキャブラリー
2)守るべきルールの意識
3)オリジナルな表現方法

「1)」から「3)」までをいかに身につけ実践するか、
それが『作詞力』の全てと言っても過言ではありません。
とはいえ、筆者が長年取り組んだ末に辿り着いた作詞の
『三原則』ですので、その実多様な中身を含んでいます。
(それが前回でいうところの『ノウハウ』になる訳です)
そこでまず今回は、筆者がなぜ上記三つの項目を最初に
挙げたか、その思いをできるだけ噛み砕いてお話します。
(ここからは貴方の想像力が頼りです… Are you ready?)

例えば今ここに、生まれたばかりの赤ん坊がいるとします。
(あえて性別は問いません)その赤子に紙とペンを手渡し、

「さ、ほれ、詞を書きなさい」 …(- -;)
 
ム、ムリですね、残念ながら。ではなぜ無理なのか?
答えは簡単。そう、その子はまだ『言葉』そのものを
知らない。…呆れてませんか?当たり前すぎますか?

やがて時は流れ、その子は少しずつ言葉を覚え始めました。
ママを見て「マぁマ」、パパを見て「マぁマ」…これでは
まだ無理ですね。更にすくすくと成長したその子、子犬を
「ワンコ」猫なら「ニャンコ」と呼び、道端の郵便受けを
「ポスト!」と指差すまでになりました。さあ、そろそろ
紙とペンを渡してみますか?それとも初恋の味を知るまで
待ちますか?その子は日記をつけ始め、大好きな相手には
手紙で愛を告白。社会の常識と多少の嘘を身につけ、もう
日常生活で自分の言葉に不自由を感じる事はありません。
さて、いよいよ紙とペンの出番でしょうか?それともまだ
足りない?いっそ辞書でも買って言語学者を目指すとか?

『作詞』をするのに必要な年齢制限や資格は存在しません。
ただ我々が理解しなければならないのは、普段生きる上で
身につけた「言葉」はあくまで「生活」の為の言葉であり、
『作詞』する為の言葉ではないという事。いくら思い通り
物の名前や胸の内を言葉にしても、それだけでは歌詞には
ならないのです。貴方が手に入れるべきもの、それは正に
「歌詞らしい」「歌詞に相応しい」「歌詞に適した」言葉。
それらを自由に扱える力を持たなければ作詞はできません。
筆者の思う『豊富なボキャブラリー』とはそういう事です。

では「歌詞らしい」「歌詞に相応しい」「歌詞に適した」
言葉とはいったい何か?それをどう手にすればいいのか?

…それは次回のお楽しみという事で、いかがでしょう?

*今日のアフィリエイト*
SHARP Papyrus PW-A8400-S

とはいえ何かと便利な電子辞書。
費用対効果は計り知れないかも。

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2006年5月 1日 (月)

第1回

*イントロダクション*

このブログの目的は二つ。

1)筆者の持てるノウハウを社会に還元する事。
2)筆者が当ブログを通じWeb2.0を体感する事。

「1)」が果たされた結果「2)」に繋がるかと。

で、筆者についてはプロフィールを参照頂くとして
具体的に何の「ノウハウ」を公表し、還元するか…
タイトルはズバリ

『作詞の教科書』

です。

音楽全般を生業にしてきた筆者の、最も苦手科目だった
「歌詞を作る」という作業…音楽諸般について初心者が
学ぶ場合、まず「教則本」の類いを手にするのが一般的。
楽器、ボイトレ、作曲含む理論全般やデビューの仕方等
世の中には沢山の音楽知識があふれています。とりわけ
「作詞」に関しては様々なスタイルのテキストが存在し、
その大半が初心者に役立つ訓示にあふれたものばかり…。
(実際筆者も過去に素晴らしい書籍から学んできました)

ただ残念ながら、それらの多くが「ものの見方」や
「感情論」に終始し(勿論それらも大変重要ですが)

『道端に咲く花を見て美しいと感じる心を磨こう』

的結論に読者が落ち着かざるを得ないのもこれまた事実。

では実際どうやって磨いた心の叫びを形にすればいいの?
花を見てあふれ出す感情はどう言葉にするの?それをどう
一曲にまとめたらいいの?そもそも自分に才能はあるの?
何をやれば、どうすれば「作詞」ができるようになるの?

…答えは簡単。これから始まるブログ『作詞の教科書』の
内容を真に受け実行する事です。これはずぶの素人だった
筆者がいかに作詞力を身につけてきたかの回顧録でもあり、
(結果オリコン1位!今では最も実りある仕事の一つです)
もし貴方がこのブログを読む事で筆者と同様、自らの胸の
内に秘めた作詞力を見事開花させる事が出来たとしたら…
その時こそ正に冒頭に挙げた目的が達成された記念すべき
瞬間だと思うのですが。いかがでしょう?

*今日のアフィリエイト*
企画の教科書

タイトル『作詞の教科書』の由来。
企てを企む…大変勉強になります。

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