第7回
*ボキャブラリーの再構築、その3*
前回挙げた『品詞』という視点の他、筆者が実際過去に
行ってきたボキャブラリーの再構築、その実例を以下に
記します。
1)表記
日本語は英語と違い『ひらがな』『カタカナ』『漢字』
『ローマ字』等、色々な書き方ができます。同じ言葉や
メッセージも、その書き方(=表記)によって聴き手に
(読み手?)与える印象が全く異なってきます。例えば
桜 / さくら / サクラ / SAKURA / a cherry blossom(英語)
これらが示す通り、おそらく日本語は世界にも類を見ない
多種多様な表記方法を持つ言語であり、その魅力をいかに
コントロールし、またこだわるかが作詞の腕の見せ所かと。
ではここで問題。今この瞬間思いつく全てのカタカナ言葉
(=カタカナ語)を書きなさい(例『マリック』…きてます)。
続いて、例えば思いついた言葉の「語感」から連想すると
トリック ロジック マジック パニック etc
と、これまで「知って」いたのに「見落とし」がちだった
言葉にも「気づく」事ができるはずです。
更に『外来語』や『専門用語』等々、意識を広げてみると
リズム メロディ ハーモニー リピート etc
のように、例えば日常的に使われる『音楽用語』の存在に
気づいたり…そこから更に同じ意味合いを漢字に置き換え
メロディ=旋律 ハーモニー=調和 リピート=反復
と、通常の思考ではたどり着けなかったはずの言葉にまで
思い至る事ができればしめたもの。
大切なのは、これら『言葉の発見』をいざ作詞する段階で
行うのではなく、あらかじめ日々準備しておく事。筆者は
今でも見知らぬ言葉との新たな出逢いを求め、常日頃から
アンテナを張り巡らせています。
では改めて問題。今回ここまでに登場した『カタカナ語』
を全て書きなさい(本文中の何気ない言葉にも要注意!)。
2)類語
例えば「太陽とは?」との問いに貴方ならどう答えますか?
太陽系の中心?恒星?それとも地球上生命体全ての光熱源?
どんな辞書も、ある言葉の意味を説明する際には必ず
『その言葉と関係のある別の言葉や表現等』を使って
説明するはず。そういった関連する言葉同士を『類語』
(=本来「語形は異なるが意味の似通った言葉」の意)
と呼びますが、それと同様に筆者は作詞をする際必ず
一度思い描いた言葉に対してそこから更に意識を広げ
別の言葉の可能性(=類語)を探るようにしています。
例えば
太陽→お日様→日射し→光 / 影→闇夜→星空→月 etc
『同じ意味を持つ言葉』から『関連する言葉』等を経て
最後は『反対の意味を持つ言葉』まで言葉をリンクさせ、
すでに頭にあるボキャブラリーを「再構築」する訳です。
このように様々な視点で同じ対象物(もしくは感情)を
違う言葉で表現する能力は、先程挙げた『1)表記』や
前回の『品詞』と同様、我々が普段から身につけるべき
『作詞力』の一つだと思うのですが…いかがでしょう?
では本日最後の問題です。先程書き出した『カタカナ語』
全てを漢字に置き換え、更にその言葉に関連する『類語』
を可能な限り書きなさい(次回『究極の言葉探し』に続く)。
<追記>
ちなみに当ブログはあくまでより良い作詞を実現する為の
筆者個人の考えを提案する場であり、正しい日本語用法や
語学的見地を必ずしも示す物ではない旨予めご了承下さい。
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日本語擬態語辞典
例えば他にもこんな視点がございます。
日本語の国に生まれて本当によかった。
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