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2006年6月 5日 (月)

第6回

*ボキャブラリーの再構築、その2*

前回の宿題、その解答例。  注( )=語音数

『未来(3)』=『これから(4)』『先(2)』
『過去(2)』=『これまで(4)』『昔(3)』

また「現在過去未来」を「今日昨日明日」と言い換える
パターンも歌詞界ではよく見受けられます。このように

いかなる音数(メロディ)でも同様の意味合いが表現可能

である事を理解し実行出来ると、より自分の想いや意図に
忠実な詞が書ける可能性が高まる訳です。その為に筆者は
前回「言葉」の持つ二面性(語感と意味)を挙げましたが
今回はそれらを更に詳しく見つめ、既に我々が身につけた
ボキャブラリーをより『使える』状態に整理整頓する事を
目指します…Are you ready?

本日のお題 → 『愛しさと 切なさと ○○○○○○と』

我が国のバブル期を代表する楽曲を想像した貴方、ここは
まず素直に思い浮かんだ言葉で○の中を埋めてみましょう。
(浮かばない貴方は上記フレーズをWeb検索すると…ほらね)

日常生活で、まれに「心強いわ」と口にする事はあっても
『心強さ』という単語を頻繁に使う人はそういない(はず)。
その事だけみても上記フレーズは歌詞として貴重な「発見」。
(空欄を是非「こころづよさとぉ」と熱唱してみて下さい)

そして心強さとは「心」+「強さ」である事にも注目です。
もし上記空欄を『強い心』と作詞したとしたら…『心強さ』
の時に得られた『韻』を踏む快感が完全に失われてしまい
(韻を踏む=音声末尾の響きを統一する事。上の場合「さ」)
意味もさることながら、見た目のインパクト等せっかくの
「発見」が台無しです(『視覚』の重要性については次回)。

日本語の場合『韻』にこだわるという事は即ち『品詞』を
意識するという事に他なりません。品詞とは各単語をその
役割や用法によって、名詞動詞形容詞等に分類する「タグ」
(ここはWeblog、なのでタグの意味はあえて解説しません)
のようなものですが

動詞=末尾の響きが「ウ」行(愛す、愛する、愛おしむ etc)
形容詞=末尾の響きが「イ」行(愛しい、切ない、強い etc)

のように、品詞にはそれぞれを象徴する決まり事が存在し、
例えば本日のお題のように

愛しさ 切なさ 心強さ → 語尾を「さ」に変換=名詞

と、言葉を品詞で「括る(くくる)」事により、語感(韻)
をコントロールする(=メロディに寄り添う)事、そして
同様の意味合いを違う言い回しで表現(=イメージを喚起)
する事が可能となる訳です。

例)愛(2) 愛す(3) 愛しい(4) 愛おしさ(5)

ボキャブラリーとは貴方だけが持つ『My辞書』のような物。
是非今回の「品詞」の例を参考に、貴方独自の『タグ付け』
により、頭にある言葉の全てを作詞に活用しやすい状態に
『再構築』してみては(これぞまさしくフォークソノミー?)
いかがでしょう?


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「スーパー一人ごっつ」 Vol.1

特にコント「手配中」こいつを外す訳には
いきません。爆笑なのになぜか目から鱗が。

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