第5回
*ボキャブラリーの再構築、その1*
さて今回はいつにも増して、楽しく元気に参りましょう。
『○○○の歌が きこえてくるよ』
例えば上記○○○部分に「カエル」と当てはめてみます。
そう、皆さんご存知のあのメロディです。聴こえますか?
では聴こえたメロディにはどんな歌詞が続きますか?
大抵の方がクヮとかグヮ、ケロケロやゲロゲロといった
カエルにまつわる言葉をイメージするはずです。
(違うという貴方、コメントお待ちしております)
「そんなの元々知ってただけで作詞じゃない」という貴方。
今度は○○○部分をカエルではなく「たわし」と当てはめ
再度歌ってみましょう。聴こえますか?たわしの歌(笑)。
では聴こえたメロディにはどんな歌詞が続きますか?さあ、
ここから先は百人いたら百通りの答えがあってしかるべき。
『ゴシ ゴシ ゴシ ゴシ』『ゴシゴシゴシゴシ』と来て
『ゴシ ゴシ ゴシ』…って、全部「ゴシ」かい!
と、あえてゴシ押ししましたが、これも立派なたわしの歌。
でもそれじゃあんまりだという貴方は、ここからどう考え
「○○○の歌」を『作詞』するのでしょう?
『たわし』にまつわる「ゴシ」以外を考えた場合、例えば
「シャカシャカ、キュッキュッ、ツルツル、ピカピカ」等
があるとして、それらをいい感じで当てはめ…ん?待てよ。
ここで言う「いい感じ」とは一体どういう事を指すのか…。
そう、ここで貴方は前回筆者が述べた
a.歌詞は歌われる『メロディ』に寄り添うべきである
を無意識に実行しようとするはずです。その「歌い心地」
を損なわず当てはめられるゴシ以外の言葉…貴方にとって
上記四つの例えなら、どれが最も相応しいと感じますか?
きこえてくるよ…シャカ、キュッ、ツル、ピカ…他の案も
歌いつつ、貴方だけの「たわしの歌」を完成させましょう。
更に○○○を今度は「お風呂」に変えると全体の雰囲気は
どう変わりますか?洗ってるのは風呂釜?それとも身体?
ツルツルピカピカはお肌?それとも頭?だったらツルピカ
よりサラサラとかフサフサの方が良いですか?次○○○を
「あなた」としてみて下さい。あなたの歌がきこえてくる、
さあ貴方は後半部分をどうしたいですか?「ツルピカ」は
さすがに相手に失礼ですし、真面目な作詞とは思えません。
いっそ「歌」を「声」にして『あなたの声がきこえてくる』
とすればより一般的な歌詞らしくなりますね。では最後は
「グヮグヮグヮ」ではなく『アイラブユー』で締めますか?
さあ自由に創作して下さい、前半に相応しい後半部分を…。
そう、ここでの貴方は先程のa.に加え、前回筆者が述べた
b.歌詞は聴き手に『イメージ』を喚起するべきである
を無意識に行っているのです。聴き手を傷つけない事や
全体のストーリーに統一感を持たせる事…選択肢は全て
貴方自身の感性が選ぶ、貴方自身のボキャブラリーの中
にしかありません。で、ここまでを踏まえて今回の結論。
言葉には「語感(発音)」と「意味(内容)」の二要素がある。
上記二要素をいかに使いこなすかが即ち『作詞』なのです。
ではここで本日の宿題。
『かこ』『みらい』それぞれの時制を表す別の言い回しを
下記を参考に二、三、四文字(語感)で計三つずつ答えなさい。
例)げんざい=四文字、いま=二文字、トゥデイ=三文字
気になる答え合わせは次回という事で…いかがでしょう?
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おふろでカエルさん
筆者は創作に行き詰まるとなぜか無性に入浴
したくなる…そんな作家、実は結構多いはず。
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