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2006年5月15日 (月)

第3回

*作詞家の正しい!?ボキャブラリーの増やし方*

前回「歌詞らしい」「歌詞に相応しい」「歌詞に適した」
言葉とは何かを問いました。で、筆者の答えがこれです。

『世の中に流通する歌詞に用いられたすべての言葉』

禅問答のようですが『真理』です。なぜなら少なくとも
この世に商品として流通する歌詞はすべて、作者以外の
第三者が歌詞としての価値を認めたからこそ作品として
存在し得る…そしてその真理に気づいた瞬間、我々作詞
を志す者がすべき最初の取り組みは決まったも同然です。

『自分が心動かされた歌詞をすべて書き写す』…これだけ。

本当は流通する歌詞すべてと言いたい所ですが無理は禁物。
手元にある、自腹で手に入れた歌詞から始めてみましょう。
ただしこれにはコツがあります。ただ書き写すのではなく、

『自分が詞を書く時には思いつかなかったであろう言葉』
『その詞に出逢わなければ普段絶対浮かばないフレーズ』

だけをノートに手書き(推奨)でひたすら書き写すのです。

これを続ける事で自分の『ボキャブラリー』にある変化が
訪れます。目にする言葉すべてが『思いつくはずの言葉』
にある日突然様変わりするのです。筆者の場合、それは約
一ヶ月半後に訪れました。どの歌詞を見ても書き写すべき
言葉が見当たらない…例えば『自由になりたい』と歌詞に
書いてある。「自由」「なりたい」両方意味は判る。けど
そう作詞した経験はない。だから『書く』。また別の日に
別の歌詞を見る。『僕らの自由』と書いてある。また書く。
『自由なき理由』語感が面白いかも…また書く。そうして
ノートの至るページに『自由』という言葉があふれてくる。
(無論それ以外の言葉も)そしてある日突然気づくのです。

「そうそう『自由』って言葉、歌詞によく使われるよね」

おめでとうございます。貴方は無事『自由』という言葉が
『詞を書く時に当たり前の言葉として浮かぶ』思考回路を
手に入れたのです。普段知っていたはずの『自由』という
言葉。けど『知っている』だけでは『作詞』には使えない。
言葉はそれを扱いたいタイミングで思いつかなければダメ。
日常会話で『自由になりたい』なんてフレーズ、なかなか
使わない。けどその気持ちは皆確かにある…だから多くの
歌詞に『自由』という言葉が登場する。それを当たり前に
思いつく自分になる…これは他人の歌詞のおいしい箇所を
そのまま引用する事(いわゆるパクリ)とは訳が違います。
(歌詞言葉を自分という器に一度取り込み消化する感覚?)

目標は『作詞時に歌詞らしい言葉を勝手に思いつく』頭脳。
『歌詞体験』(日常生活では得られぬ言葉のインプット)
とも呼べる経験を糧にやがて手書きノートは卒業。最後は
自分の発想のみでいざ勝負…そんな来るべき日を目指して
貴方もまずは『やってみる』という事で。いかがでしょう?

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たまには自身の作品を(カラオケでも歌えます)。
これを聴いて死を思い留まってくれたファンの方、
お元気でしょうか。

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